入退室システムには、開錠方法にテンキー認証・ICカード認証・バイオメトリクス認証・スマートフォン認証などの認証技術が使われています。ここでは、入退室システムに使われている認証技術それぞれの特徴とメリット・デメリットについてご紹介します。
・テンキー認証(暗証番号)
「ten key(テンキー)」とは、文字通り0から9の10個の数字のことで、テンキー認証は事前に設定する数字を組み合わせた暗証番号を用いて開錠する方法です。比較的導入コストが低く、鍵を持ち歩く必要がないため、鍵の管理や鍵を無くした場合の鍵交換費用も発生しません。
デメリットは、共有の暗証番号を使用する場合では①個人の入退室を記録できない②離職者が出るたびに暗証番号を変更する必要などがあげられます。また、暗証番号が第三者に漏れた場合は侵入のリスクがあるため、防犯対策として暗証番号を定期的に変更する対策が必要です。
・ICカード認証
ICカードを認証装置(カードリーダー)にかざして、ICチップの情報を読み取り権限の有無を判定して開錠する方法です。使用するICカードは、社員証などのカードにICチップを埋め込み別途用意する場合もあれば、SuicaやPasmoのような交通系ICカードに認証情報を登録して使用する場合もあります。
個人ごとの入室記録を残すことができるのはもちろん、交通系ICカードを利用する場合は専用のカードリーダーを購入して登録するだけでいいので、社員証用のICカードを用意する手間とコストが削減できるといったメリットがあります。ただし、ICカードが個人管理に依存するため紛失や盗難のリスクもあります。
・バイオメトリクス認証
バイオメトリクス認証とは、指紋や静静脈、網膜、顔、声などの人間の身体的特徴の情報を用いた開錠方法で、生体認証とも呼ばれています。個人に固有のものを使っているため、なりすましや紛失、盗難などのリスクが低く、安全性が高いと言われています。セキュリティも強化できる反面、導入コストがかかるデメリットもあります。
・スマートフォン認証(スマートロック)
専用のアプリをインストールしたスマートフォンをリーダーにかざす開錠方法です。アプリをインストールして使用できるため、もともと使っている個人や会社用のスマートフォンを使うことでICカード発行のコストが削減できます。
カードリーダーとスマートフォンも通信は暗号化されており、スマートフォンの画面をロックしパスワードで管理していれば、紛失や盗難によるリスクも軽減されます。ただし、毎回スマートフォンを取り出してリーダーにかざす必要があるため、人数の多いオフィスや建物の場合は扉の前で渋滞が発生してしまうデメリットもあります。